2013 年 69 巻 6 号 p. II_199-II_204
既刊統計資料を元に,ネパール製造業のエネルギー消費量を推定すると共に,エネルギー消費構造の特徴を明らかにした.また,エネルギー消費量の変化要因について分析した.その結果,以下の点が明らかになった.(1)石炭が最大のエネルギー源である,(2)石炭ならびにバイオマスは主に窯業,食品業,金属製品業で消費されている,(3)これらの産業に加え,繊維織物業が4大エネルギー多消費産業である,(4)増加したエネルギー消費の約6割は,生産規模の拡大による,(5)エネルギー消費効率はほとんどの産業で改善されているが,エネルギー多消費産業を中心に大きく悪化している.今後の対策は,エネルギー多消費産業を中心に進めることが効果的であること,より正確な統計情報の整備が望まれることを指摘した.