抄録
東日本大震災の後, 福島県沿岸部に残置されている廃船舶の放射線量率(線量率)及び仮置き場の環境中の線量率を多点測定し, 線量率分布の可視化に努めた. さらに適切な廃船舶を選定し, 船舶に堆横する支障物(土砂, 溜り水)の除去, 及びFRP部材表面等に付着していると考えられる放射性物質の洗浄除去を試みて, 除染作業前後の船舶の線量率の変化について調べた. また, 一部の廃船舶部材等は採取の上, 放射能濃度の定量を行った. 以上から, 廃船舶及び仮置き場の放射能を評価し, 廃船舶そのものの放射能汚染についての考察を踏まえて, 廃棄物処理の可能性について検証を試みた. 結果として, 船舶に滞留する土砂等により線量率が上がるケースがみられたが, それらを撤去, 洗浄除去することにより線量率が有意に低減し, 以降の廃棄物処理やリサイクルにつながる見通しが得られた.