土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第51巻
デンプン含有排水を処理する酸素供給型DHSリアクターの運転方法の検討
段下 剛志角野 晴彦小島 誠貴川上 周司高石 有希子山口 隆司珠坪 一晃
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2014 年 70 巻 7 号 p. III_141-III_150

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抄録

 DHSリアクターの気相部を高濃度酸素で維持するHigh dissolved oxygen DHSリアクターの排水種に関する知見の拡大と処理性能向上のための運転方法の検討を目的に,平均全BOD 565mg/L,平均全COD 1016mg/Lのデンプン含有排水を処理温度20℃で461日間連続処理した.HRT 5h,容積負荷1.4(2.5)kg-BOD(COD)/m3-reactor/dにおいて,処理水は溶解性BOD 50mg/L以上,溶解性COD 130mg/L以上であった.処理水を向上させるために,ここで発生した短絡流とDO不足の改善をねらい処理水循環を試みた.その結果,循環比5における処理水は,溶解性BOD 25mg/L程度,溶解性COD 110mg/L程度に向上した.処理水質の向上には生物膜の剥離が関係しており,この制御は処理水循環という簡単な運転方法で可能になることが示唆された.活性汚泥および高濃度酸素で馴致した保持汚泥の酸素利用速度を,DO 8mg/LおよびDO 30mg/Lに曝して測定した.保持汚泥における後者は前者の1.7倍となり,活性汚泥よりも後者と前者の差が大きくなった,これより,高濃度酸素で馴致したことによる効果的な影響が見られた.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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