抄録
省エネルギー型の新たな窒素除去方法として嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応を利用した技術が注目されている.アナッモクスの幅広い応用を促進するために,本研究では約57%の部分的亜硝酸化の実現および維持方法について検討した.部分的亜硝酸化処理は完全混合型反応槽を用い,流入水のNH4+-N濃度を250mg/L,窒素負荷を0.5kgN/m3・dとし,リアクターの温度を25℃前後に設定して運転を行った.DO濃度を0.12mg/Lに制御することでNOBの活性が抑制され,リアクター内の遊離アンモニア(FA)と遊離亜硝酸(FNA)濃度がそれぞれ11.4mg/L,0.009mg/Lとなり,理想的な部分的亜硝酸化が実現され約50日間維持することができた.DO濃度により亜硝酸化率が変動し,FAとFNA濃度も変化するため,DOは亜硝酸化率を左右する重要な制御因子と考えられた.