抄録
松川浦においては周辺よりも流入する宇多川の上流域において空間線量率が高いことから,放射性セシウムの浦内への初期沈着だけではなく,さらなる流入と蓄積も懸念されている.本研究では松川浦における放射性セシウムの蓄積様を明らかとすることを目的として,浦内各所からコア採取した底質の放射性セシウム濃度測定および性状分析を行なった.放射性セシウムが同程度に高濃度であっても底質性状は異なり,結果として放射性セシウムの蓄積量も異なった.含泥率の高い南西部では,放射性セシウムが高濃度であっても蓄積量は西部よりも少ないことが明らかとなった.松川浦全域の底質20cmまでの総蓄積量は220GBq程度と見積もられ,その80%以上が15cm以浅に蓄積していることが明らかとなった.