抄録
水質障害を招く懸濁態元素や細菌などは個別に調査されてきているが,懸濁物質の挙動を総合的には捉えられていない.そのため本研究では,懸濁態元素と細菌に着目して,流下過程における各々の挙動や関係性を現地調査により明らかにすることを目的とした.懸濁態元素濃度は流下過程で増減した.また,懸濁態元素組成は約270mの距離でも著しく変化した.以上のことから,配水管から生成した懸濁態元素は,生成した地点付近の管底に存在することが多いと考えられた.一方,キノンを分析したところ,Q-10やMK-8が優占キノン種として検出された.懸濁態元素と同様にキノン濃度も流下過程で増減した.懸濁態元素濃度とキノン量の変化に対応が見られたことから,両者は配水管内で同様の挙動を示していると考えられた.