抄録
小水力発電は温室効果ガスを排出しない純国産自然エネルギー発電である一方,我が国には発電に適した地点が多く残されている.その主な理由として観測流量の不備と発電単価評価の困難さが挙げられる.本研究では流出解析モデルにより流況の計算を行い,小水力発電に必要な落差および発電設備等の導入コストの評価から発電単価を計算できる評価システムを構築した.岐阜県の亀尾島川をケーススタディーとして,流出解析モデルの再現性を確認するとともに,発電単価が最安となる取水口・発電所位置の探知ならびに,取水口と発電所の位置を固定した際に取水口として既設砂防堰堤を利用した場合と取水口を新設した場合の発電単価の比較を行った.