土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第43巻
福島県北部沿岸地域におけるフライアッシュのクリンカー代替利用に関する地域循環圏の検討
木下 卓大奥岡 桂次郎谷川 寛樹
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2015 年 71 巻 6 号 p. II_133-II_138

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抄録

 循環型社会の実現にあたり,地域の特性や循環圏の性質を考慮し,最適な地域循環圏を形成することは不可欠である.東日本大震災以降,日本の電力供給源は原子力から火力へシフトしており,大量に発生する石炭灰の有効利用が今後の課題である.本研究では,福島県北部沿岸地域を対象とし.福島県相馬共同火力発電所から排出される年間50万トンのフライアッシュ(FA)を再資源化し,建設資材へ循環利用することによる投入ポテンシャルの検討を行った.震災の復興建築,既存の建物の更新,海岸保全施設へのFA投入ポテンシャルは,発電所から到達圏域50kmに循環圏を設定することで,1~40km圏内のおよそ3倍に増加することが明らかとなった.しかし,圏域内の建築物への年間FA投入ポテンシャルと比べ,発電所から1年間に発生するFAは5倍以上存在した.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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