2015 年 71 巻 6 号 p. II_151-II_162
地方自治体が地域の活力を維持しようと考えるとき,地域の産業と人口の動態を個別に考えるのみならず,雇用や消費を通じたそれらの相互作用を定量的に把握し,施策を検討することが必要と考えられる.本研究ではそれに周辺地域との通勤関係を加えて産業・雇用・通勤・人口の関係を記述し,基礎自治体レベルで入手可能な情報で構築できるモデルを開発した.同モデルは定義的に定式化され,各分野の政策上の課題とパラメータとの関係を整理した.これを福島県相馬地域に適用し,特に新地町において産業立地や人口維持等の地域の課題に対応した4つの将来シナリオを構築しその例を示した.