抄録
本研究では,都市に投入,蓄積,廃棄される物質のメタボリズムの把握の為,日本の社会基盤の中で大きな割合を占めていると考えられる港湾・漁港・海岸保全施設を対象としてマテリアルストックのデータベースを拡充し,既往の研究と比較した.また,推計したマテリアルストックを用い,MSPS(Material Stock Per unit of Service)指標を用いることによってストック利用効率を検討した.その結果,港湾・漁港・海岸保全施設の2005年におけるマテリアルストックはそれぞれ,783Mton,1,714Mton,472Mtonであると把握した.運輸関係におけるストック利用効率について,空港はストック利用効率上昇,道路・鉄道では輸送量,港湾では輸送客についてストック利用効率の低下がみられた.