2015 年 71 巻 6 号 p. II_387-II_395
渇水時の貯水池運用に資することを目的として,月単位で家庭用,業務用等に区分して集計されている上水道の用途別月調定水量から,用途別日使用水量を推計する手法を提案した.これまで経済データ等に適用されてきた,集計データを時間的に配分する手法を,調定水量の集計方法を踏まえて,上水道に拡張した.この手法を,愛媛県松山市に適用し,家庭用,業務用に区分して用途別日使用水量を推計し,給水制限時の水使用実態の把握のための有用性を検証した.提案した手法は,従来提案されている,日給水量に対して,調定水量から推計した用途比率を乗じることによる,用途別日使用水量の推計手法と比べて,日単位で調整される給水制限強度をより詳細に反映できる点や,結果の妥当性の検証が容易な点で優れていることを示した.