土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第43巻
汚濁物質収支モデルを用いた最終処分場の安定化の判定に関する研究~クローズドシステム処分場とオープン型処分場を対象として~
池田 勇太古市 徹石井 一英藤山 淳史
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2015 年 71 巻 6 号 p. II_405-II_414

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抄録
 埋立廃棄物の廃止にむけた判断を数値的に行うために,本研究では,最終処分場をボックスとして捉え,マクロ的視点での汚濁物質収支モデルを,溶出しうる汚濁物質(COD成分と塩素イオン)の洗い出しと減衰を考慮して構築した.降雨や気温の影響を受けやすいオープン型(OS)処分場では物質収支をとることは困難であったが,覆蓋があるため人工散水により制御されたクローズドシステム(CS)処分場では,溶出しうる汚濁物質の約75%の収支を表現できた.またCS処分場では,液固比で散水量が設計されるが,微生物分解等の減衰も考慮する必要性が示唆された.また,構築したモデルを用いて浸出水濃度の将来予測を行ったところ,CS処分場では塩素イオン濃度の低下に時間がかかるため,散水量を増やすなどの安定化促進策が必要であることを示した.
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© 2015 公益社団法人 土木学会
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