抄録
本研究は,統計・ウェブ情報を用いて,自然災害に伴う災害廃棄物発生量原単位を推計することを目的とする.特に本研究では,家庭の耐久消費財に由来する災害廃棄物に着目した.先ず,ウェブ調査により耐久消費財別の質量原単位を推計し,データベース化した.これに全国消費実態調査を組み合わせて1世帯あたり耐久消費財保有量を推計した結果,保有量は,全国平均では約1.5~約2.5tとなった.次に,南海トラフ巨大地震の被害想定地域における災害廃棄物発生量を推計するため,データベースと内閣府や地方公共団体による被害想定情報を組み合わせた.結果として,内閣府の被害想定(近畿地方で大きな被害が発生するケース)を用いた場合,東海・近畿地方では静岡県が最も多く,約630~約1,020千tとなった.