土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第24巻
将来の気候変動下におけるティッピングエレメントのティッピングポイントの超過可能性
木口 雅司井芹 慶彦鼎 信次郎沖 大幹
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2016 年 72 巻 5 号 p. I_241-I_246

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抄録

 本研究では、地球温暖化に伴う気候変動が進行して、ある臨界点(ティッピングポイント)を過ぎた時点で不連続のような急激な変化が生じて、大きなインパクトをもたらすような気候変動の要素(ティッピングエレメント)の発現可能性について解析した。先行研究で述べられたティッピングポイントを用いて、4つの排出シナリオや緩和目標としての戦略シナリオと、ティッピングエレメントのうち北極海の夏の海氷の喪失とグリーンランド氷床の融解について関連性を導いた。その結果、ティッピングポイントの不確実性があるものの、各排出シナリオでのティッピングエレメントの発現可能性が示された。一方戦略シナリオでは、複数気候シナリオを用いて検討した結果、気候シナリオとティッピングエレメントの両方の不確実性を組み合わせて議論する可能性が示された。

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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