抄録
漏水削減は水資源の有効利用の観点だけでなく,浄水にかかる薬品コストや水輸送に要するポンプの消費エネルギーを削減でき,環境負荷低減にも大きく寄与する.漏水を削減するには,老朽管更新や漏水管修繕といった予防保全的対策のほかに,配水管路網内の余剰圧力を抑制する運用制御的対策がある.予防保全的対策は漏水を生じる管孔そのものを塞ぐことができるため,その効果は大きいが更新や修繕に必要な費用が高い.一方で,運用制御的対策は配水ポンプや減圧できる電動弁の運転方法を改良することで成されるため,低い費用で大きな効果を期待することができる.
本論文では運用制御的対策に着目し,自動制御を導入するのではなく,夜間に電動弁を操作することによって夜間最小流量を低減する対策事例を示す.具体的には,配水区域内における末端圧力の変化を時系列で推定し,余剰圧力が発生している時間帯を特定するとともに,余剰圧力を抑制できる電動弁の操作量をデータのみから明らかとした.また,その結果として得られる漏水削減効果の見込みを示した.