土木学会論文集G(環境)
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環境工学研究論文集 第53巻
中空糸膜状浸漬型MBRにおいて膜密度がモジュール内部の流動特性に及ぼす影響
井上 美穂遊佐 大介長岡 裕
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2016 年 72 巻 7 号 p. III_523-III_533

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抄録

 中空糸膜状浸漬型MBRにおいて曝気の気泡流によるモジュール内部の流動特性を検討するため,中空糸膜密度を変更した2条件に対し,モジュールの上部及び下部においてPTVを用いた液相流速の測定,気泡径の測定を行った.膜密度が小さい方が,モジュールとの接触による気泡の分裂が少ないため液相流速が大きく,散気口位置の影響を受けやすいことから空間変動も大きくなった.また,膜密度が大きい方が,気泡が膜面に接触して破砕するため液相流速が小さくなり,また破砕した気泡はモジュール内に均一に分布することから,液相流速の空間的分布が均一となることが示された.膜モジュール内の渦動粘性係数の値は膜密度が大きい条件で大きくなり,膜密度が大きいことによる気泡と膜との接触によってモジュール内部での乱流拡散が大きくなることが示唆された.

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