土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
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環境工学研究論文集 第53巻
阿蘇山起源のSO2の高濃度時の気象状況
玉井 昌宏國枝 桂子
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2016 年 72 巻 7 号 p. III_67-III_78

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抄録

 火山ガスの簡易なリスク評価法を開発することを目標として,ここでは九州の阿蘇山から放出される二酸化硫黄SO2を対象として,外輪山西側の熊本平野における濃度変動特性と気象状況との関係を検討した.1日程度の時間スケールの変動成分が支配的であることから,24時間分の濃度時系列にクラスター分析を適用し,高濃度となった日を抽出し,各種気象観測データを分析した.その結果,東寄りの強い地衡風で地上風も昼間東寄りの強風となる東風連吹パターン,東寄りの比較的強い地衡風の下で,昼間の地上風が阿蘇山周辺では東寄り,熊本平野では西寄りになる地衡風補償流パターン,地衡風が弱く,広域海風が出現していると推測される海陸風パターンなど,SO2の高濃度状況を発現させるいくつかの典型的な気象パターンを明らかにした.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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