抄録
近年の社会・経済情勢の変化により,エネルギーシステムのデザインは地域の課題として認識されつつある.本研究では,数理最適化問題として地域における分散型エネルギーシステムの設計プロセスをモデル化した.日本の中山間地域における拠点施設(温浴施設)を対象として,発電電力の固定価格買い取り制度等の補助制度や事業主体の行動規範がエネルギーシステムの選択を通じてコストとCO2排出量等に与える影響を評価した.現行制度下では地域の木質バイオマスを活用した分散型エネルギーシステムの実装が進展する可能性があるが,同時に社会的負担が生じる懸念があることが分かった.また,需要規模や燃料価格に関する感度分析に基づき,類型別システムの導入基準について考察した.