抄録
地域住民参加型バイオエネルギー開発は,それぞれの地域や文化により課題は異なるものの,生活の豊かさがプログラムへの参加率を高める共通の要因となり得る.そこで,インドネシア東ジャワ州バンカラン県における地域住民参加型バイオエネルギー開発プログラムを対象に,エンゲル係数(ECF)と参加意欲の関係をベースとしたモデルを構築した.1)住民へのインセンティブ付加とプログラム参加による副収入による住民のECFの改善,2)プログラムによる温暖化ガス(CO2)削減効果,3)プログラム運営に伴う費用便益の3指標より,1)と3)からインセンティブ付加を検討できることが明らかとなり,ECFを用いたモデルによりプログラムの持続可能性と地域社会の社会,環境への効果を定量的に検討できる可能性が示された.