土木学会論文集G(環境)
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環境システム研究論文集 第45巻
夏季及び冬季の保水性コンクリート屋上敷設による熱遮蔽効果と含水率との関係
前川 知士山田 宏之
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2017 年 73 巻 6 号 p. II_147-II_156

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抄録
 保水性コンクリートで作製した板を建物屋上に敷設した際の,熱遮蔽性および保温性の評価を,2016年夏季から冬季にかけて行った.夏季の測定結果から,伝導熱フラックスおよび屋上表面温度の低減に関しては,2層にして中空層を設けた敷設方法が最も効果が高いことが示された.散水後6日経過した時点であっても伝導熱量の建物内流入成分の積算値は無処理区の13.7%であった.冬季の測定結果からは,伝導熱フラックスの日積算値は敷設方法の違いによる顕著な差異は確認されなかったが,屋上面温度の最低値は2層中空が最も高くなった.夏季冬季共に,建物屋上に敷設する方法としては,2層中空型が最も効果的な敷設形態であることが示されたが,1層のみで使用する場合,屋上面との間に隙間を設けて敷設する工法が効果が高かった.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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