抄録
現代社会において人々が健やかで心豊かに過ごせる環境づくりが求められている.「環境に配慮した行動」と「健やかさを得る行動」を心理学的,行動科学的に支援する枠組みには共通項が多い.本研究では,環境配慮行動を支援する枠組みを健康行動支援に援用することで得られる行動変容の効果を約50名の従業員を対象に検討した.結果,12週間にわたり健やかな歩きが継続され,健康行動として通勤の機会を活用した取り組みを選択する人が多いことや,通勤時の交通手段の違いによる活動量の違いをを明らかにした.また,職場仲間と活動量の情報を共有しながら取り組むことで新たな会話と競争意識が生まれ,やる気の維持と心的なリフレッシュを実感し,メンタルヘルスケアにも繋がることが示唆された.