土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第45巻
下水汚泥の処理方式とそれに伴う乾燥熱源の違いが静脈系インフラ連携によるエネルギー回収におけるGHG削減に与える影響
道浦 貴大中尾 彰文吉田 登山本 秀一山本 祐吾中久保 豊彦
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2017 年 73 巻 6 号 p. II_221-II_231

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抄録
 本研究では,福岡県北九州市をケーススタディの対象として,下水汚泥の燃料利用とそれに伴う乾燥熱源の違いを考慮し,静脈系インフラが連携したエネルギー回収システムのGHG削減効果を評価した.脱水汚泥を高温焼却・ごみと混焼・造粒乾燥,消化ガスをガス発電・造粒乾燥の乾燥熱源・都市ガス代替,ごみ焼却排熱を蒸気タービン発電・汚泥の乾燥熱源に分けた比較ケースを5つ設定した.分析の結果case2(脱水汚泥:造粒乾燥,消化ガス:造粒乾燥の乾燥熱源,ごみ焼却排熱:蒸気タービン発電)が最もGHG削減効果が高く,基準のcase0(脱水汚泥:高温焼却,消化ガス:ガス発電,ごみ焼却排熱:蒸気タービン発電)と比較してGHG排出量の38%が削減可能であり,近接する静脈系インフラや産業工場の連携を活かしたエネルギー回収の有効性が明らかとなった.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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