抄録
高濁度河川水の膜ろ過における膜ファウリングの特徴の把握を目的に,タイ王国のチャオプラヤ川およびその上流のピン川を原水とし,異なる孔径の精密ろ過膜による全量ろ過実験を行い,粒径の異なる微粒子の除去率を分析した.上流は下流より,粒径3 μm以上の微粒子を多く含むため,空隙が多く厚いケーキ層が形成され,ろ過抵抗が小さくなった.また上流では下流より,微粒子の除去率は0.1~1.3log10高かったことから,微粒子の除去にはケーキ層の構造が影響すると推察された.公称孔径0.1 μmの膜では,細孔と同程度の大きさの微粒子が原水中に多いため,ろ過初期から細孔の閉塞に加えケーキ層が抵抗を持ち,孔径の大きな膜に比べて,ろ過抵抗が3.7~4.4倍大きくなった.