抄録
本研究では,地中熱ヒートポンプ暖房システムを戸建住宅に導入する場合のCO2排出量の削減可能量(削減ポテンシャル)を全国10 kmグリッドで試算し,システム導入による環境貢献効果を比較分析した.気候の異なる7地域の戸建住宅を想定し,全国地盤物性データベースの有効熱伝導率分布と地中熱システムシミュレーションを組み合わせ,各グリッドでシステム運用時の地中温度・熱媒体温度が安定する地中熱交換器長さと,その場合の従来システムに対する戸別の削減ポテンシャルとグリッド単位の削減ポテンシャルを計算し,都道府県毎に集計した.その結果,戸別の削減ポテンシャルは寒冷地や山間部で高い一方,グリッド単位の削減ポテンシャルは温暖地域,特に太平洋岸の都市部で高く,地中熱利用による環境貢献効果が全国で広く期待できることが示された.