土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第26巻
フィリピン・ベトナムにおけるグリーンインフラの海面上昇への適応評価と費用効果
熊野 直子田村 誠井上 智美横木 裕宗
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_395-I_404

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抄録
 気候変動に伴う海面上昇への適応策として,海岸線を防護し被害を軽減させる必要がある.熱帯などでは海岸線に分布するマングローブ林をグリーンインフラとして活用した海岸防護が行われており,堤防などの社会基盤と組み合わせることで,効果的に防護できるとされている.しかしながら,先行研究は特定の地区を対象にしたものが多く,海面上昇への適応策に関する国全体の影響評価,あるいは長期的な費用効果を分析した研究は少ない.そこで,本稿はフィリピンとベトナムを事例に,海面上昇に対して現存するマングローブ林を最大限に利用した場合における適応評価と費用効果を分析した.その結果,潜在的浸水面積と被害額が大きくなるベトナムではマングローブ林を活用した防護に国全体で経済合理性がある一方,フィリピンは国全体での費用便益比は小さく,地域毎のきめ細かいマングローブ植林計画が必要となることが示された.
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© 2018 公益社団法人 土木学会
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