土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第46巻
水辺ビオトープにおけるクロスジギンヤンマの生態に関する研究
菊原 紀子田中 裕一
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2018 年 74 巻 6 号 p. II_151-II_156

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抄録
 ヤンマ科の1種であるクロスジギンヤンマ(Anax nigrofasciatus nigrofasciatus)は都会の小規模なビオトープにも出現しやすい種である.大型のトンボ目で胸部の緑色,腹部の水色が特徴的なことから視認しやすく,ライフサイクルや産卵形態は知られているが,詳細な羽化や出現期間,頻度などの情報は把握されていない.そこで,五洋建設技術研究所の水辺ビオトープでクロスジギンヤンマの羽化や成体に関する調査を行った.その結果,羽化のピークは羽化開始日から1週間~10日程度で迎え,年度毎の単位水面積あたりの羽化個体数は0.36~0.71頭/m2であった.成体の出現ピーク期は出現開始日から1週間程度で迎え,出現ピーク時間は午前・午後の2峰型であることが明らかになった.
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© 2018 公益社団法人 土木学会
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