抄録
本研究は全国26ヶ所の認証地域の中でも最もリサイクル事業者の集積が進んでおり,施策開始初年度より事業を展開している北九州エコタウンを対象に,2005年より5年間隔で物質フロー調査を実施した.アンケート調査及びヒアリング調査により把握した3時点の物質フローデータをもとに,36~51万t-CO2の削減効果があること,中でも立地事業所数が最も多い2010年の削減効果が最大であること等を示した.また,事業所数の増減,事業所あたり受入量,受入量あたりCO2削減効果の増減を用いてCO2増減の要因分析を行うことで,変化に対する寄与率を示した.さらに,ネットワーク分析によりネットワーク構造と密度を可視化し,北九州エコタウンの長期的な変化を明らかにした.