抄録
下水処理場に未利用バイオマスである稲わらを集約し,下水汚泥と混合メタン発酵処理を行い,発生残渣を肥料等で農地に還元するシステムにおいて,稲わら収集および下水汚泥肥料利用についてのアンケート調査を,石川県加賀市の農家を対象に実施した.アンケート調査では,稲わらの収集・運搬・保管を行い,下水処理場に搬入してメタン発酵処理後に発生する残渣を汚泥肥料や土壌改良剤として農地に還元する地域内循環システムを想定し,コンジョイント分析を用いて,農家の稲わら収集システムへの協力行動の影響因子を求めるとともに,農家のシステム利用意思を調査し,システムの実用性を検証した.その結果,農家のシステム協力行動の影響因子として最も重要度が高いのは「収集手間」であり,続いて「保管場所」および「製造肥料の提供単価」となり,「稲わら売却単価」の重要度は低いことが確認された.また,システム利用意思調査結果では,「金銭的なメリットがあるなら利用する」まで含めると71%の農家の協力が得られることが確認された.