2018 年 74 巻 7 号 p. III_433-III_443
浸漬型MBRにおいて,散気管と膜ユニットの間に山型邪魔板を設置し,散気管で発生した気泡が直上だけを上昇するのではなく,膜ユニット内にできるだけ均一になるように分散させ,膜面に大きなせん断力を均一に働かせることを可能とする曝気洗浄方式を考案し,膜ユニット内の気泡流の流れ場をPIVによって測定するとともに,その膜面洗浄効果について,実験室規模のセラミック平膜を用いて測定した.山型邪魔板と散気管との距離を離した条件で,発生する気泡を空間的に分散させることによって,膜ユニット内に比較的空間的に均一で大きな上昇流速を発生させ,膜ユニット全体としてファウリングの進行を抑制できることがわかった.また,膜近傍の空間的な流速分布とファウリング発生後の膜面の汚泥付着状況に関連性があることも確認できた.