2019 年 75 巻 5 号 p. I_307-I_312
沢や山地スケールでの地表面温度分布は,水文過程,植物生態,雪氷分野等の様々な分野において重要であるが,1㎢以下の小流域のような狭域内部に対する時空間変化の観測例が少ない.本研究では,樹木の影響がない裸地小流域を対象に,UAVを用いた地表面温度を1時間・約20cmの時空間解像度で観測し,希少な地表面温度分布の挙動の把握を試みた.検証のため26地点の土壌水分量観測と1点で10分毎の定点観測を行うと共に,地形効果を考慮した放射収支を計算し,地表面温度の決定要因の検討や,土壌水分量を推定できる可能性を検討した.その結果,斜面方位・勾配の影響が大きく純放射量との高い相関を示すものの,土壌水分量との相関は低かった.土壌層の浅い岩盤地質で水分量の影響が小さいことと,土壌水分の局所性が高いことが原因と考えられる.