2019 年 75 巻 5 号 p. I_419-I_425
本研究では,確率過程論を熱収支法に適用し,水温を推定するまでの過程に不確実性を考慮する理論的な枠組みを提案する.その一例として,上向き長波放射量の射出率に不確実性を入れ,水温の推定分布を計算する.また,確率論的に水温を求めるのとは別に,決定論的に,平均値と平均値±分散の計3種類の射出率で水温を推定し,確率論的に求めた結果と比較した.最後に,推定した水温の分布の応用性についても説明する.これらの結果,確率論的に求めた水温と決定論的に求めた水温は,年変動の傾向は類似していたが,日々の変動は確率論的に求めた結果の方が大きく,決定論的に求めた結果とは異なる挙動になることを示した.