2019 年 75 巻 6 号 p. II_231-II_238
近年,水道施設の老朽化が重要な課題の一つになっている.特に,管路施設は地中に埋設され劣化状態を把握することが非常に困難である.そこで,管内面の状態を観測できる水道管内カメラ調査に着目した.
本研究では,過去15年間に実施されたダクタイル鋳鉄管と鋳鉄管に関する943件の調査データを集計した.管路内の診断結果に基づき,「健全」と評価した管路をGood群,「危険」と評価した管路をBad群とし,管路の基本情報と水質に関するアイテムを説明変数とした数量化II類による判別分析を行った.分析の結果,76.8%と高い判別的中率の「基準モデル」が得られ,管内面劣化と管路特性の関係を定量化することができた.さらに,水質項目を組み入れた拡張モデルの精度が向上したこと(判別的中率82.1%)から,水質が管内面劣化に及ぼす可能性を明らかにした.