2019 年 75 巻 6 号 p. II_261-II_271
本研究では,今後の自治体の災害廃棄物処理計画策定に資する知見・知識を得ることを目的として,都道府県を対象に各自治体の処理計画を文献調査し,それぞれが使用している発生原単位や推計方法を,整理・分析し,現状を体系的に明らかにした.原単位は5種類見られ,それぞれの特徴をまとめたところ,想定災害と原単位の用途が一致していないと考えられる自治体が見られた.また,和歌山県をモデルにケーススタディーの対象地として災害廃棄物対策指針の原単位を用いた災害廃棄物発生量の推計を行い,既存の計画と比較し,既存の計画で定められている項目に及ぼす影響を検討した.原単位の設定が異なるだけで発生量に大きな差が見られ,処理計画に影響を与える等,原単位の設定の重要性について考察した.