土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第47巻
下水汚泥の燃料化における熱源の選択がエネルギー回収に及ぼす効果
道浦 貴大中尾 彰文山本 祐吾吉田 登
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2019 年 75 巻 6 号 p. II_247-II_259

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抄録

 本研究では福岡県北九州市をケーススタディの対象地とし,下水汚泥の燃料化における水分乾燥工程の熱源が異なるケースを設定し,温室効果ガス排出削減効果および事業コストで比較評価した.乾燥熱源には地域の廃棄物由来の熱・バイオガス,産業工場の排熱利用を想定した.比較ケース【case1】下水汚泥由来の消化ガスによる汚泥の造粒乾燥,【case2】セメント工場の排熱による汚泥乾燥,【case3】下水処理場と隣接したごみ焼却場の焼却排熱(過熱蒸気)による造粒乾燥,【case4】一般廃棄物から回収したバイオガスによる造粒乾燥.推計の結果,温室効果ガス排出削減量,事業コストともにcase2がもっとも優位となり,産業工場の排熱を利用して,下水汚泥エネルギーを最大限に活用することの有効性を定量的に明らかにした.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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