土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第56巻
光ファイバセンサを用いた浄水用ろ過膜の損傷検知手法の開発
名本 昂生橋本 崇史風間 しのぶ小熊 久美子滝沢 智
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2019 年 75 巻 7 号 p. III_329-III_339

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抄録

 浄水用ろ過膜の損傷を運転中に非破壊で検知する手法を開発することを目的として,光ファイバ型の多点表面圧力センサを外圧式MF膜ハウジング内部10箇所に中空糸膜の長さ方向に沿って配置し,膜ハウジング内の供給側圧力を測定した.膜ハウジング内の中空糸膜を,切断無しから順次切断本数を増加させて圧力を測定したところ,膜切断による膜ハウジング全体の膜差圧変化の検出感度は,光ファイバセンサを供給側のみ設置するよりも,通常の圧力計を供給側と流出側の両方に設置する方法のほうが高かった.そこで,隣り合う光ファイバセンサ間の圧力勾配を指標として,膜の切断前後の圧力変化を求めたところ,膜モジュール全体の差圧変化よりも高い感度で膜破断を検知するとともに,膜破断位置を推定できる可能性が示された.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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