2020 年 76 巻 5 号 p. I_19-I_26
近年,水環境中において迅速で正確な生物調査方法である環境DNA法の利用が加速している.しかし,濁りを有する水域における環境DNAの調査方法は確立されていない.そこで本研究では,異なる濁質条件を有する河川のコイを対象に,環境DNA法の適用可否を検討した.集水域の土地利用が異なる3河川を対象に,ガラス繊維ろ紙を用いた手法と孔径20µmの定性ろ紙をプレフィルターとして用いた手法により環境DNAのろ過・濃縮を実施した.結果として,従来法であるガラス繊維ろ紙を用いた手法では,プレフィルターを用いた手法と比べて,高濁度条件においてろ紙を2枚使用しても通水量が1Lに満たないケースが多いものの,環境DNA濃度は相対的に高いことが示された.環境DNA濃度とSSや強熱減量には相関関係が認められなかった.