土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第28巻
東日本大震災で生じた塩性湿地における塩分・溶存酸素の変化特性
松下 知馬横山 勝英中山 耕至畠山 信
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 5 号 p. I_27-I_32

詳細
抄録

 宮城県気仙沼市舞根地区の西舞根川河口域には2011年東日本大震災により塩性湿地が出現したため,2012年から2019年までの8年間にわたって水位,塩分,溶存酸素濃度(DO)の連続モニタリングを実施して,時間変化の特徴を調べた.舞根湿地では塩分の最大値は32程度で変化が無いが,最低値は年々減少する傾向にあった.地盤が毎年約5cmずつ上昇している影響で,海水が河川を遡上しにくくなり,洪水が湿地に入りやすくなっていることが推定された.DOは午前中に上昇し,午後は減少,夜間は緩やかに減少していた.表層では日中に過飽和になり,夜間でも5mg/L以上であった.これは沈水植物の光合成と呼吸が主な要因と考えられた.底層では夜間や洪水後の数日間は無酸素状態になり,沈水植物の活動に加えて塩分成層の影響で底層水が滞留しやすいことが原因と推測された.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top