2020 年 76 巻 5 号 p. I_277-I_287
河北平野の中心部に位置する石川県工業試験において,降雪期と非降雪期の季節別に熱応答試験を実施した.降雪期には適切な熱応答試験データが得られなかった.これは,積雪時に稼働する融雪システム用の地下水揚水井の影響によるものと考えられる.また,GSHPシステムの実証実験結果より,冷房・暖房ともに良好な運転実績が確認できた.実証実験中の地下温度の簡易再現計算を行ったところ,非降雪期に実施した熱応答試験データから得た見かけ熱伝導率を用いる場合に高い再現性が得られた.以上より,河北平野の公的施設・オフィス等の空調にGSHPシステム導入は有望であり,見かけ熱伝導率の評価には非降雪期の熱応答試験データの利用が理想と言える.また,非降雪期に熱応答試験が実施できない場合は地質情報から推定する有効熱伝導率をシステム設計に利用することが,システム導入時の留意点となる.