土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第28巻
流下時間を考慮した土石流による流木の樹皮剥離過程に関する研究
谷口 隼也渡辺 一也齋藤 憲寿
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2020 年 76 巻 5 号 p. I_371-I_376

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抄録

 大雨によって発生した流木が土砂や雨水と同時に流出し,橋梁等に堆積することで洪水の原因となるなど,流木が甚大な被害を与える原因となる事例が全国的に頻発している.そのため,流木による被害を軽減するためのあらゆる研究が行われているが,樹皮剥離の過程に関する研究は未だ行われていない.本研究では,平面的に循環する水路を用いて流木の樹皮がどのような過程を経て剥離するのか,水理模型実験を行うことで検討した.実験ではまず,土砂を敷いた水路内で水を流した場合,実現象における流速を再現することが可能であるということを確認した.その後,清水のみの状態と土砂を敷いた状態で流木モデルを流した.すると,清水のみの状態では樹皮は剥離せず,土砂を敷いた場合では流木と土砂が衝突・接触することで樹皮が剥離することを確認した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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