2020 年 76 巻 5 号 p. I_451-I_459
IPCCの第5次評価報告書によれば,アジア地域において暑熱に関連する死亡リスクの増大が指摘されている.本研究では,暑熱環境の影響時間を考慮するためWBGTの大きさと曝露時間の積で表現されるDT値を定義し,過去の熱中症による救急搬送数と過去の実測WBGTより求めたDT値の関係より暑熱環境の危険度レベルを設定する方法を検討し,堺市に適用した.本提案手法は,各危険度レベルの違いを定量的に表現することが可能であり,地域に応じた暑熱環境状態を理解してもらう手段として有用であることが示唆され,その上で,学協会の示す指針に基づき行動してもらうことで,熱中症予防の促進に寄与すると考えられる.