2020 年 76 巻 6 号 p. II_129-II_140
生活雑排水に含まれる代表的な化学物質であるLAS,AEを対象として,汚水処理率の改善がどの程度生態リスクの削減に寄与するのかを解析するための方法論を構築した.本研究では群馬県汚水処理計画を対象としたケーススタディを行い,河川水中濃度の推計にはAIST-SHANEL Ver. 3.0を用いた.現状シナリオ(県全体での汚水処理率71.9%)に対し,2030年度のシナリオA(同76.1%,下水道等接続率の向上のみを反映),シナリオB(同89.2%,合併処理浄化槽への更新も反映),2040年度のシナリオC(同100%)を設計した.各シナリオでの河川水中濃度の推計,生態リスク評価指標(potentially affected fraction of species, PAF)に基づく評価を行うことで,汚水処理率の改善に伴う生態リスク削減効果を明らかにした.