2020 年 76 巻 6 号 p. II_17-II_22
土石系循環資源については,将来的に循環資源としての需要量を上回る量が廃棄物として発生することが懸念されている.本研究では,土石系循環資源の需給バランスについて都道府県レベルで2030年度まで将来推計を行うモデルを構築し,土木建築の寿命を延長するなどの発生抑制対策をとる場合,取らない場合それぞれの需給バランスの推移について推計した.結果として,対策をとらないシナリオでは2030年度時点で18県で土石系循環資源の供給量が土石系資源の全需要を上回るという結果を得た.また,対策をとるシナリオでは土石系循環資源の供給量が土石系資源の全需要を上回る県が5県に減少し,また,日本全体の需給バランスも11ポイント削減できるという結果を得た.