2020 年 76 巻 6 号 p. II_175-II_187
本研究では,和歌山市を対象としてごみ焼却施設と下水処理場の連携を含むエネルギー回収方策に対して,発電量とGHG削減効果を比較する.まず,ごみ焼却施設と下水処理場が単独で適用可能なエネルギー回収技術(ごみ発電の高度化),および双方が連携して適用する汚泥ごみ混焼やバイオガス化を組み合わせて複数のケースを設定する.分析の結果,単にごみ発電の高度化を図る場合(ケース1)に対して,低含水率脱水などを取り入れた汚泥ごみ混焼発電やバイオガス化発電を組み合わせた連携ケースにより,GHG削減量は約5倍に拡大することが示された.さらに,これらのケースをふまえたインフラ連携の展開可能性について考察した.