土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第48巻
セシウム汚染土壌を対象とした分級処理とマイクロバブル浮選による固液分離の適用研究
三浦 一彦河野 麻衣子日下 英史
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2020 年 76 巻 6 号 p. II_73-II_80

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抄録

 福島第一原発の事故により放射性セシウムで汚染された除去土壌の減容再生利用手法として,大量かつ比較的安価に処理が可能な分級処理の適用が有望である.濃縮率並びに再生利用率を高めるため20μmを分級点とした細緻な分級処理を提案し,後処理技術として一般的な凝集沈殿剤を用いた沈降分離では固液分離が困難な課題を解決するため,マイクロバブル浮選(MBF)を適用した.対象土壌の多くは農地由来のため,土粒子に加え有機物微粒子などを含む未経験の対象泥水に対し,幅広く効果がある起泡剤と捕収剤の組合せを選定し,流速や薬剤量の微調整により目標濁度を達成できることを確認した.この処理により20μm以下の分画に放射性セシウムを濃縮できることを確認し,実用的な新しい放射性Cs汚染土壌の減容化手法としての可能性を示した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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