2020 年 76 巻 6 号 p. II_81-II_90
廃棄物に含まれる金属資源の効率的な回収方法の1つとして焼却残渣の集約型還元溶融が実用化されている.一方で小型家電リサイクルの回収目標は未達であり,特に人口100万人以上の都市での回収効率が低いことが指摘されている.本研究では,小型家電の回収効率が低い人口100万人以上の都市の一部に集約型還元溶融を導入し焼却残渣から金属回収を行うことによって,小型家電リサイクルの回収目標と同等の金属資源回収を全体として効率的に達成するシステムを提案した.また,GHG排出量の評価および試行的な経済性の評価を行った結果,集約型還元溶融の一部導入は小型家電リサイクルの促進と比較してGHG排出量が増加するものの,全体としての費用は低減する可能性が示唆された.