2020 年 76 巻 7 号 p. III_337-III_348
本研究では,緑色凝灰岩が多孔質且つミネラルを豊富に含む点に着目し,緑色凝灰岩の加工廃材を用いたミニトマトとニンジンの栽培試験と土壌の化学性,生物性への影響評価を行った.栽培試験の結果,緑色凝灰岩施用区ではミニトマトの収量とニンジンの根長が有意に増加した(p<0.05).土壌化学分析の結果,ミニトマト栽培では緑色凝灰岩施用によりNO3-–N濃度とCaO濃度が有意に増加した(p<0.05).16S rRNA遺伝子に基づいた微生物群集構造解析の結果,ミニトマトとニンジンの栽培試験において,緑色凝灰岩施用が検出率0.11%以下のマイナーな微生物群集構造形成に影響を与えることが示唆され,ニンジン栽培では緑色凝灰岩無施用区で土壌劣化を示すKoribacteraceae科が有意に増加した(p<0.05).