2020 年 76 巻 7 号 p. III_355-III_360
中小河川ではヨシなどの草本過剰繁茂による流下能力低下や景観悪化が問題となっており,水理的因子による制御は容易ではない.本研究では過剰繁茂を制御する因子として日射量に着目した.ヨシが繁茂する小河川の砂州上に異なる遮光率の寒冷紗を設置した日射遮蔽実験より,遮光率が高いほどヨシの草丈が小さくなること,遮光率が76%を超えるとヨシの密度がやや減少すること,遮光率76%を超えると増水時にヨシが倒伏しやすくなり,94%ではほとんど全てのヨシが倒伏することが判明した.また同河川のヨシ被覆率調査と日射量解析より,河道周辺の樹木などによる天空開放率に地形的な要因で定まる直達日射率を加えることでヨシ被覆率の多くを説明できることが判明した.以上より,実河川でも日射遮蔽がヨシの繁茂を制限している場合があることが実証され,日射遮蔽によるヨシの繁茂制御の可能性が示された.