2021 年 77 巻 5 号 p. I_147-I_154
地形計測技術の進歩に伴い,地表面構造物を含む計測データから地盤高データを減じた各種の差分データの利用が注目されている.特に差分利用に注目されているものが,地表面構造物を含む数値表層(DSM:Digital Surface Model)モデルと数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)である.DSMに含まれるビル等地表面構造物のデータは,局所的に大きな高さ方向のデータを低減するためのウィンドウを用いて平滑化されるが,構造物は多種多様であることから,局所的に厳密に標高値が推定できていない場合もある.このため,DSMとDEMの差分データは必ずしも正確な構造物の高さを表しているとは言えないが,その有無を示唆するデータであると言える.そこで本研究では,DSMとDEMの差分データに着目し,地表面構造物の分布との関係を分析及び避難支援情報として活用する方法を提案し,その有用性を確かめた.