2021 年 77 巻 6 号 p. II_23-II_31
資源生産性は循環計画の大目標として掲げられている物質フロー指標であるが,本指標では物質フローを支える物質ストックの間接的な影響を評価できない点が課題であった.先行研究において,物質ストックを考慮した資源生産性の要因分解は行われているものの,物質ストックの価値はその用途や種類によって多様であることから,全ての物質ストックに一概に適用することは困難である.本研究では,提案型論文として日本の住宅を対象に要因分解式を試用し,住宅ストックの変化が資源生産性に及ぼす影響を明らかにした.分析の結果,2008年から2017年にかけてストックあたりのサービス発生効率の低下や空き家の増加による資源生産性への負の影響が明らかになった一方,住宅の長寿命化が資源生産性の向上に最も貢献していることが確認された.