土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第30巻
成魚期のニホンウナギを対象とした水温条件別の魚道遡上特性
鬼束 幸樹峰下 颯也下江 海斗
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2022 年 78 巻 5 号 p. I_1-I_6

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抄録

 魚道の出口はダムや堰の水面付近に位置するため,表層水が選択的に流下する魚道内と魚道下流域とで水温差が生じる.ニホンウナギは外温性生物なため,魚道内と下流域との水温差は遡上率に影響を与える.本研究ではニホンウナギの畜養水温および円柱突起物付き斜路式魚道内の水温が,遡上特性に及ぼす影響を検討した.その結果,ニホンウナギの遡上挑戦率,遡上成功率は,畜養水温および魚道内水温の上昇に伴い増加し,畜養水温が20~25℃で魚道内水温が±5℃の範囲で高い値を示した.また,畜養水温および魚道内水温の上昇に伴い,ニホンウナギの遡上行動が活発になり,あまり休憩せずに遡上することが解明された.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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